あしたから

あしたから雨つづきだと小耳にはさんだので、買っておいた野菜の苗をすべて植えてしまうことにした。仕事への不安はものごころついてからつねに抱きつづけてきたのだが、もともと迷うことが得意なわたしでも、なんだかこのジメジメに気が滅入っちまう。ホームページをつくったはいいものの、なにから手をつけていいか迷いつづけている。ぼんやりとしたたくさんの破片たちがみえるのに。のに。

だから苗を植えにいくことにした。ちかごろうちの畑は、ますます活気にみちあふれている。こういう活気がほしかったのだと、暑さにたおれそうになりながらわたしはおもう。畑は切れ間だ。土はつづいているけれど、作物は切れ切れにとれるし、なによりあざやかだ。切れ間にあざやかさをみいだしてきたわたしにとって、畑ははじめての、嘘をつかない居場所なのだ。

しかもそこは、わたしだけの居場所ではない。すべてのものの居場所が、じぶんにとっても居場所であることに、すこしおどろく。ひとりきりのせまい場所をさがしてきたわたしにとって、こんなに開放的でけっしてきれいとはいえない場所が、じつはものすごくプライベートでうつくしい場所なのだというささやかな発見は、おおきなものだった。

そこでわたしはおもった。ラッキーシードを、畑みたいな会社にしたい。畑に作物を植えるみたいに、土を耕すみたいに、ひとつひとつやっていけばいいのだ。きょうおもいつきで買って植える苗があってもいい。たべたいものをたくさん植えるのもいいい。苗を植えるのを、明日まで待ってもいい。成長のおそいうちの畑のすがたを目にうかべると、だいじょうぶなような気がしてくる。